キャリアコンサルタント自己紹介①

「今のままじゃダメだ。何としてでも自分は変わらないといけない」

わたし自身を奮い立たせたのは、メンタル不調により多くの人を傷つけた強烈な罪悪感と「心を病んで全てを失った自分は弱い人間だ」という劣等感でした。

変わろうと決意してから10年、わたしはいわば罪滅ぼしのために仕事をしてきました。その間には何度も「やっぱり自分はダメなんだ」と諦めそうになったり、卑屈で融通がきかなくて再び人を深く傷つけそうになったこともありました。そういうとき「大丈夫、なんとかなるんだから」「あなただったら絶対大丈夫だから」と【根拠のない言葉】をかけ続けてくれる人たちがいました。

今のわたしがあるのは、そうした温かい言葉と「自分では思いつかない物事の見方や捉え方」を見せてくれたメンターのおかげです。そして今では「人のお役に立ちたい」「もっと仲間を増やしたい」という気持ちで、心から好きだと思える仕事に就くことができています。

その好きな仕事を形にしたのが、キャリアカウンセリングです。
この場所を立ち上げるに至ったわたしの想いを自己紹介を兼ねてお話しさせてください。

うつ病からトップ営業、起業へ導いてくれた4人のメンター

19歳から5年間うつを患っていました。その間に結婚し、2人の子供の母親になりましたが、家事も育児もまったく手につかず家の中はメチャクチャ。薬やお酒や自傷行為で現実逃避し、最終的に自殺未遂で病院に担ぎ込まれたことをきっかけに、当時の夫は子供を連れて家を出て行きました。結果、半年間の調停を経て、子供との面会を禁止された状態で離婚へ。

その後、冒頭にお話しした強烈な罪悪感と劣等感から「変わらなければ」という決意をし「うつで母親失格、おまけにキャリアも学歴もナシ」の状態から、「怖い」というイメージしかなかった営業の世界に飛び込むことになりました。

ずっと寄り添い、ひたすら話を聞く「ポジティブでカッコいい」友

そうできたのは、ある一人のメンターとの出会いによって考え方を大きく変えられたからです。

彼女はまだうつをひきずっていたわたしとずっと一緒にいてくれて、「誰にも頼らない」「心の中を知られたくない」というわたしのかたくなな気持ちを解きほぐしながら、ひたすら話を引き出し、聴いてくれていました。辛抱強く支えてくれたおかげで、出会いから1年が経つ頃には自分ばかりを責め続けていたわたしも徐々に「頑張れるのかもしれない」「できるかもしれない」「変われるかもしれない」と思えるようになっていきました。

彼女からは教わったのは「自分にない新しい《物事の捉え方》」です。
当時はいつも頭の中にドス黒いネガティブなイメージばかりが浮かんで離れませんでした。ところが彼女の「物事の捉え方」は、いつもポジティブで前向き。にもかかわらず「弱さなんて誰でも当たり前に持ってるんだ」と受け入れている。自分ひとりでは絶対に思いつかないであろう「物事をプラスに捉える方法」を見せてくれていました。

わたしにとって営業に携わることの一番の問題は、人に嫌われ、指摘や否定をされることが何よりも怖い、という劣等感から生まれる恐怖心でした。相手の顔色をうかがい、表情や言葉じりから機嫌を読み取って「嫌われたかな…」と悪い方向へと想像する習性が染み付いてしまっていました。お客様に対しても、職場の人間に対しても、それは同じでした。

彼女から教わった「新しいものの見方」はネガティブなイメージをプラスに変換させること。「嫌われたかも…」「嫌われないためにはどうすれば?」といったイメージを、「相手が喜ぶためには何をすればいいだろう?」に変えて想像してみるように心がけました。良くない思考習慣を変えるには相応の時間がかかりましたが、彼女の度量の大きさに支えられ、過度な自責の念や「否定されるのが怖い」といった怯えが徐々に減っていくのがわかりました。

ポジティブでカッコいい彼女のおかげで、闇の中にいたわたしは光を見ることができました。
彼女にはどんな言葉で感謝をしたらいいのか、見当たらないほどです。

口グセは「あなたならこんなこと簡単」尊敬する上司

初めての営業。とくにお客様への訪問は当時のわたしにとって「地獄」でした。うまく会話が続かない、切り返しができない、クロージングができない、の3ない運動。当初は非常に苦しい思いをしましたが、それを周囲に見せることだけは避けなければいけない、と心に決めていました。

職場には、月に1度上司と1ヶ月を振り返る「レビュー」と呼ばれる1on1面談がありました。わたしは最初これが嫌で嫌で仕方ありませんでした。「先月の実績を詰められるのだろうか」「何を指摘されるんだろう」「何か間違ったことをしているだろうか」そんな考えばかりが頭をよぎるからです。

でも、わたしの上司は違いました。
といっても褒めることはほぼありません。「よく頑張った」といった言葉など聞いたことがない。

ただ、面談で言われるのは「あなただったらこんな業務、簡単にこなしちゃうんだろうなぁ」「先月がこうだったから、あなただったら今月も目標は大丈夫だよね」「えっ!あなたなら知ってるとばっかり思ってた」これらの言葉にはきっといろんな受け取り方があるでしょうが、上司が「できるのが当たり前」と信じてくれている、信じてくれていることに応えたいと感じていました。認めてほしい、受け入れてほしい、わたしのそうした欲求を上司はおそらく見抜いていたのだと思います。

徹底した現場思考の上司でした。わたしたち部下がやるような雑用も「いい、俺がやっとくから他のことやっちゃいな」と進んで引き受ける人で、数々の支店を改善させたのは、こうしたチームワーク作りのなせる技なのだと思います。多くの部下がこの上司を尊敬していました。

人との接し方に問題を抱えながらも、目標数字のプレッシャーに打ち勝ち、未経験から入社3年で東日本エリアのトップ営業に変わることができたのは、尊敬できる上司のマネジメント、そして月イチレビューのおかげだと思っています。

この頃には、営業という男社会の中で生き残る「デキる女」のイメージがすっかり定着し、人に嫌われることを極度に恐れた弱い自分はもう過去のものになっていました。メンタル不調時代のわたしを知る人によると「別人みたいに変わった」そうです。

同級生が口に出す「大丈夫、なんとかなるから」の絶大な安心感

営業時代、別の部署に後から入社してきた彼女は同級生でした。
女性営業が極端に少なかったのもあり、上司たちのはからいで、わたしは彼女とすぐに仲良くなりました。
建設会社の営業はとても厳しいもので、数字を出さなければ即クビ(自主退社を勧められる)という時代。彼女は入社後半年間ノルマをクリアできず苦しい立場に立たされていました。

結果を出さなければクビ、そんな状況の中で彼女は「大丈夫、上司についていけば間違いないんだから」「大丈夫、絶対になんとかなる」といつも自分自身に言い聞かせていました。そしてその言葉は、彼女に悩みを相談する時にも決まって返ってくるのです。最初は「なぜそう言い切れるのだろう?」と思っていましたが、まるで不思議な魔法の言葉のようにいつもわたしを勇気付けてくれました。

彼女の「根拠のない楽観的な捉え方と発言」に助けられていたのは、わたしだけではなかったと思います。実際に彼女は営業の大先輩方(大半が40代・50代のおじさま)にとても可愛がられ、頼られていました。情に厚く、思いやりがあって、なおかつ大胆。「大丈夫」という言葉の力を彼女は誰よりも信じ、そして人に伝えてくれていたのだと思います。

その後彼女が、在籍していた部署のトップ営業になったのは言うまでもありません。彼女の「大丈夫、絶対なんとかなる」には実は根拠があったのです。彼女は誰よりも動き、お客様からも絶大な信頼を得るようになっていたからです。

自信がなくて不安な時、焦っている時にはたとえ根拠がなくとも「大丈夫」と信じ、口に出すことの大切さ、そしてその言葉を力に、行動を起こすことの大切さを彼女は教えてくれました。私の生涯の親友、そしてメンターです。

「なんでそんなことするの?」鏡のように価値観を見せてくれるパートナー

物事をポジティブにイメージする力が鍛えられ、自分はできるという自信を身につけ、「大丈夫」と自分に言い聞かせられるようになっていた私はその後「もっと人に、誰かに貢献していきたい」と考えるようになっていました。それまで自分と向き合ってきた経験を使って誰かの役に立てる自分になりたいと、自分の未来を、可能性を、信じられたのは、今まで出会ってきたメンターのおかげです。

その後「起業」という未来をなりたい自分の姿として思い描くようになり、2015年、パートナーと一緒にコンサルティング事業をスタートさせることができました。そしてこのパートナーが、4人目のメンターです。

「トンデモナイ」人。彼に対してのわたしの当初のイメージはこうでした。
思い通りにならないとすぐに感情をぶつけてくる、やり方が違うと「そんなのはいらない」と否定してくる、ときに高圧的でまわりに負のオーラを撒き散らすことも厭わない…こう並べるとすごく酷い人に見えますが、当初のイメージはこんな感じだったのです。

「ありえない」と何度も言い争い、大ゲンカをし、「もう一緒に仕事はできない」とたびたびさじを投げました。でも彼は、しっかりと物事の戦略を立て”実現させる”こと以外は考えない、人と同じことは絶対にしないなど、わたしにない論理的な思考が魅力で、ぶつかるたびに私は、やはり彼と共に仕事がしたいという気持ちに立ち返り、彼の元に戻る、というのを繰り返していました。

一緒に事業を立ち上げるにあたり、自分の経歴を振り返って「働き方とメンタル」に興味を持ったわたしは、その頃から本格的に心理学を学ぶようになったのですが、ある哲学者との出会いで衝撃的なフレーズを見つけます。

『目の前にいる「あなたをイライラさせる人」は、実は鏡に写ったあなたなのです』

その瞬間、なぜ彼と一緒に事業を立ち上げることになったのか、はっきりとした理由がわかりました。今後彼から「改めて自分を見つめ直せ」と教えられることになるだろうと思いました。人生に必要な出会い、鏡のような彼も、衝撃を受けたフレーズを遺した哲学者も、わたしにとって大切なメンターです。