「ダメな自分」との付き合い方

はじめての方へ

記憶が正しければ、小学生の頃からずっと「完璧主義」がわたしのテーマだった。

完璧を求めているフシがあることはうすうす気づいてはいたけれど、そのせいで長年苦しんでいたことに気づいたのは30代も中盤にさしかかった頃だった。気づいてからは「受け入れたい」と思ったが、染みついた習慣はそうやすやすと手放せるものではなかったよね。

どう考えたらラクになるか?何を感じたら受け入れていけるのか?そんな感じで3年ほど試行錯誤を続けていたアラサー時代。

なんで、できないんだろう?
どうして自分には○○がないんだろう?
もっと○○だったらいいのに
ちゃんとしなくちゃ
あの人がうらやましい
どうせ自分なんて…

今振り返ってもよくわからない感情(笑)けどあの頃は本気で「昔はこんなんじゃなかった」とか「これから何かを頑張りさえすれば未来の自分を好きになれるはず」みたいなグルグルの思考に長い期間どっぷり浸かってしまったりしていた。

「ダメな自分」は自分ではないの?

イライラする、なんだか落ち着かない、凹んで一歩も動けない《ダメな自分》どうにかして脱却したくなる。どんな手段を使ってでもいち早く「元の自分」に戻りたいとか思ってしまう。

ある日、そんな話をした一人のメンターから『何も持っていなくて、しっかりしてなくてまるでダメで、あの人と比べて劣っている今の自分は、自分ではないのかい?じゃあ一体誰なんだい?』と言われてパッカーン。

元の自分が本来の自分で、今のマイナス思考な自分は本来の自分じゃないという考えそのものが根本的に違ったのだ。落ち込んで、凹んで、イライラしてる今の自分だって、自分の中にある一部なのだということをなぜ認められないのか?ということ。

もっと頑張ったら、新しく何かを得たら、あの人を超えたら…のように条件付きで自分のことを認め、そうじゃない自分は嫌いと否定している。この状態でもしも未来に思い通りのものを手に入れたとしても、そのときにはきっとまた「やっぱり、まだ足りない」「もっと○○じゃなくちゃ」と感じるはずなのだ。

同じことの繰り返し。終わりのない”ダメな自分”との戦いをいつまで続けるの?と問いかけられた気がした。

見たくない自分にはいつもフタをして感じないようにしていた。何かをきっかけにマイナス感情が出てくるとすぐ「あ、嫌だ」って瞬間的に判断して、逃げよう避けようとしていた。でも元の自分に戻す必要なんてないのだ。マイナスオーラにどっぷり囲まれた状態を否定する必要もない。今の自分だって自分なのだから。

スマホのロック解除パスワードを「許す」に変えた

一番いいのは「ダメな自分の存在」を許せる(受け入れる)ようになること。早急な解決策を自分にも周りにも求めない。イライラしっぱなし。つらい・悲しい・悔しいと感じっぱなし。怒りっぱなし。もちろん最低限の周囲への配慮は必要だけど、そういう自分にも許可を出す。

否定をせずに一歩引いて「あぁ今、自分はこう感じているんだな~」なんて思えてくることが大事。ちゃんと「自分の一部」として受け入れられるくらい客観的に感じきってはじめて”終わり”が来る。「もう、いっか」「もう一回○○をやってみよう」そんな風に思えるようになるためには、ネガティブ感情やダメな自分を否定し、消化不良を起こしてはいけない。

とはいえ、嫌だと思っている自分を許すなんてハードルが高いのね。それでいろいろ調べてみると「習慣化」というキーワードにたどり着いた。自分を許せない(完璧主義)のが習慣ならば、自分を許すのも習慣。自己暗示をかける目的で、スマホのロック解除に「forgive myself」と入力するパスワードをかけた。英語が合っているかどうかもわからないが「自分を許す」という単語のつもりだった。

パスワード入力は長くて面倒くさいけど、毎回いちいち入力するからこそ嫌でもキーワードが頭に入る。1年くらい続けたと思う。自分自身で「こんな自分嫌だ」という状況を受け入れられたと感じるまでには結構時間もかかったけど、自己暗示には少なからず効果があったように思う。

許すことで自分の味方を手に入れる

自分自身を無条件でまるごと認めてあげられるのは、やっぱり自分なのだ。
「他者に受け入れられる」ことを条件に自分を認めるのは、あまりに自分を大切にできていない。

もちろん自分以外の誰かも無条件で自分を認めてくれたらそりゃめちゃくちゃハッピーなんだけど、いいところも悪いところも全部わかっていて、毎日コロコロ変わる気分や体調の変化にもすぐに気づくことができて、気持ちいいこと、嫌なこと、敏感に感じることができる。

こんなに自分のことを親身になって考えてくれて的確に判断できる人って、実は自分以外にはいないはずなんだよ。

ダメな自分を否定したくなったら否定してもいい。最初のスタートは「自分を否定している自分」に気づくことだから。「あぁ、今自分のことをダメだって思ってるでしょ?」「嫌だから否定したいと思ってるよね?」って他人事みたいに客観的に見られるようになれば、「悔しいでしょ?悲しいよね?そりゃ怒るよね」と思えるようになる。こういう自分との対話をもっと大事にしたい。

習慣を変えるのは根気もパワーもいることだし、いまだに「こうあるべき」と自分に(いや、もっぱら他者に、なんならオットに笑)課してしまう時もあるけれど…ここはまだまだ課題だなぁと思う。それでも自分をまるごと受け入れようと努力してくれている「自分」という最大の味方を手に入れたのは大きい。

ダメな自分も、人間臭くて可愛らしい自分の一部なんだ。

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。