【20代部下のマネジメント】世代間ギャップを埋めるのは「受け入れ」と「仕組み」

はじめての方へ

いつも遅刻ギリギリに出社する若手、公休の翌日によく休む新人、提出期限を忘れるスタッフ、バックヤードの整理整頓ができない職場…30代後半から40代の相談者からよく聞かれる『イライラする場面』です。

社会人なら5分前行動、常に納期に余裕を持って。周囲の評判を落とすような行動は控えないと。だから書類がいつもなくなるのよ。服装や環境の乱れは心の乱れ…etc「社会人なら当然でしょ?どうしてできないの?」みたいに感じてしまう。だがしかーし、ストレートに言って伝わるくらいなら苦労しないわけですわね、これが。

それは「自分は育成やマネジメントに向いてないんじゃないか」とまで考えさせるほど。こういう表現は個人的に好きではないけどいわゆる【ゆとり・さとり】と呼ばれるような、若い世代のメンバーに対して向けられることが多かったりします。

そもそも、大事にしていることが違うのだ

そこにある背景は、わたしたちが社会人になりたての頃から「先輩の言うことは絶対」「社会人としてこうあるべき」というような絶対的な価値観の中で育っていることがひとつ。「言われることをその通り受け止める」というわかりやすい基準を疑問を持たず素直に実行できた人が評価された環境でした。

それ自体は悪くないけれど「そう教えられてきたから」「自分がそうしてきたから」という理由で、つい同じことを当たり前のように下の世代に求めるから躓いちゃう。絶対的な価値観が通用しない、常に疑問ばかりが浮かんでいる若い人と上司とのやり取りを聞いているとほんとうにもどかしくって。

『なんで自分がやらなければいけないんですか?誰かに迷惑をかけていますか?納期を「過ぎては」いないですよね?整理整頓と仕事って何の関係が?仕事とプライベートを分けちゃいけないんですか?』というような疑問が、次から次へと飛び交っている世界(読んでて腹が立ってきてないですか?笑)

時間や納期ギリギリでも本人はまったく困っている様子がないし、周囲からの評判が落ちる理由がわからないと食ってかかるし、「すみません」と言いましたよね?と開き直る。上司が受け答えに窮し、悩んでしまう気持ちもわからなくはないんですけど。

相手の価値観も受け入れてしまう、という選択

彼らとは、大切にしているものも評価基準も違う。こうなったらもう受け入れるしか、諦めるしかないよ?と思うんです。諦めるというのは負けや否定を意味するんじゃなくて、むしろ新しい価値観を取り入れて考えの幅を広げるチャンスと捉える。「そういう考えもあるのね」って受け入れるイメージで。

(自分自身はそういう考えは持てないとしても)相手はその価値観で動いている人なんだということを一旦受け入れた上で「本当に困るのは誰なのか?」「困ったら、どうなってしまうのか?」そして「本来それらの責任を負っているのは誰だろう?」と考えていけるといいんじゃないかなぁ。

ここまで考えられれば、ちょっとした思い違いに気づくこともあって。自分が困ると思っていたが実は相手が困るだけ。もしくは相手が困ると思っていたが実は自分が嫌なだけ。取引先や顧客が困ると思っていたが実はそうでもなかったなどの思い込みもわりと多いはず。

大事なポイントは、自分の考えや価値観を受け入れるかどうかを決めるのは相手だということなのです。この部分には絶対にタッチすることはできないから。それが「諦める」ということなんだろうな、と思っています。人は自分の思い通りになんてならない(わたしたちは先輩の思い通りに動いてきたような気もするけれど…あぁ気のせいか?笑)

ルールや仕組みになっていなければ、若い人はついて来れない

長くなるけど、あともう一つだけ。

大半の上司が持っている仕事上の価値観のほとんどは、ルール化されているものではないという事実も知らないといけません。「こういうもんだ」と教えられてきているから、暗黙の了解とか、社会通念上とか、一般常識とかで通じちゃってた部分があるはず。

それでは若い世代はわからないんだよね。だから疑問ばかりが浮かぶのかもしれない。

本当に全員が守らなければいけないことなら仕組みにしてしまわないと。トヨタの整理術じゃないけれど、誰が見ても「こうするのがルール」とわかるようにして伝え、そして伝え続けなきゃ。疑問に対して明確な答えのないことを求められるのを若い世代は最もニガテとしているようですから。

悪びれもなく遅刻する若い人にどう対応するか?

たとえばギリギリ間に合う時間に出発し、不測の事態があって遅れてしまう人。どう考えてもありえない!!という場合。わたし達の暗黙の了解は「不測の事態も織り込み済みで早く出発する」だけど、実はそれって明確なルールではないんですよね。

本人は間に合うように出発していて「不測の事態のせい」で遅れたという主張をする中、『何かがあって間に合わないこともあるかもしれないという不測の事態を想定することがルール』って非常にわかりにくいのかもしれないね、曖昧というか。

「5分前に到着すること」というルールを作っても「そのつもりで家を出たんです」と言われれば終わり。だからと言って「出発は○分前」みたいなルールを作るのも不毛だし(笑)切り取り方を変えて「取引先の中にはギリギリの行動をあまり良く思わない世代の人もいる」と伝えてみるものの、それでも相変わらず時間ギリギリで行動するのは変わらない。

ここで、思うようにならなくてイライラしたり諦めたりしてはダメなんです。

もしも実際に困ることが起きたなら、その時に本人と一緒に考えることにして、あとは様子見でもいい。実際には自分が困ることって今はほぼなかったりもする(これはこれでちょっと残念だったりして…性格悪っ笑)

そんなことよりも「どうしたらこの子は早く来たくなるだろう?」と考えるほうがいいなぁ。そのためには若い人の興味関心がどこにあるかをもっと知らなきゃいけなかったり。やるべきことは目くじらを立ててイライラすることじゃなく、そっちなんだろうな。

上の人だって、私たちとのギャップに苦労したはずだから

世代間のギャップや考え方の違いは、わたしたちの上の世代の人もきっと苦労してきたのでしょう。自分たちが新人だった頃、先輩はいろいろと工夫してきてくれたはず。

そうやって育ててもらった先輩たちへの感謝と恩をお返しするつもりで若い人たちに接していきたいですよね。

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。