マネジメントに必要なのは「どうなっている状態」がベストかを考えること

『みんなが楽しく働ける職場にしたい』『やりがいを感じられる仕事がしたい』相談に来られるリーダーや管理職は口を揃えてこう言います。「こうなりたい」のイメージの中に上のような思いを抱いている人が多くて嬉しく思います。

もちろん、わたしもそうです。【やりがいを持って楽しんで仕事をする】仕事を単なる「稼ぐ手段」と位置付けるだけじゃなくて、自己実現が図れたり、貢献によるハッピーや満足を得るために働きたいし、必要とされる喜びを感じたい。

それで「あなたにとって”楽しい”というと具体的にはどんな感じ?」「”やりがい”って?」と尋ねていくと、人間関係のイザコザがない/文句や愚痴が飛び交わない/自分の時間、能力、知識を自由に使える/好きなことだけできる/ストレスがない…などなど、まず現状「大変だ、嫌だ」と感じることがなくなる状態が真っ先に浮かんでくるんですよね(汗)

だけどそれ、ほんとうにそうかな?
本当に感じている「やりがい」や「楽しい」は、ほとんどの場合そこではなくない?

嫌なことがない状態が楽しい…なのか?

たとえば、接客販売の場合で楽しかった仕事は?と聴くと「売上目標達成に切羽詰まった月末最終日」とか「販売数で地域1位を目指していた時期」とか「連休期間の顧客増加対応にてんやわんやしてた時」など、どう考えても精神的体力的に大変で苦労した仕事を挙げる方がいます。

プレッシャーで押しつぶされそうになったでしょう。シフトがいっぱいいっぱいで休日も休憩も取れず、連勤が当たり前だったかもしれない。当然、拘束時間も長いだろうと容易に想像ができます。それでも「楽しかった」と振り返っておられる。

共通しているのはたとえば、チーム全員で一つのことを成し遂げようとしていたというところだったりします。明確な目的があるから、殺伐とした雰囲気も時間も体力も削られたとしてもあまり気にならない。つまりそこに「目的のために本気で夢中になっていたから楽しかった」という関係が見えてくる。

これが「”楽しい”の中身」のイメージがわいている状態です。そこまで理解できてはじめて話はどんどん進んでいく。「じゃあ、それを叶えるために何をしよう?」となる。その時頭に浮かぶのは「人間関係のイザコザがない」とか「文句や愚痴が飛び交わない」などの解決ではないはずですよね。

「楽しい」は人それぞれ違うけれど、これだけはハッキリ言える。苦しくてツラいから「楽しくない」では決してないんだよなぁ。

何をすべきか?は「どうなりたいか」の後に見えてくる

現状抱えている不満や不安のせいで楽しめないというのはウソだと思う。それは同時に、それらがなくなれば楽しくなるわけでもないということも意味していて。もちろん、楽しみながら仕事ができる状態がベストであることに変わりはないけど、苦しい中に【”楽しい”のポイント】が隠れていることがあるのです。

冒頭でお話しした方々も「楽しい」をさらに深掘りして探っていけばやはり、実績目標を必死で追いかけていた時や、目指したいものを叶えるために夢中になった時、「どうすればいい?」と真剣に考えていた時など、過去に楽しいと感じた仕事にこういう要素が潜んでいたことに気づくことができます。

「何をやるか?」は「どうなりたいか?」のあとに見つかるものです。

あなたにとっての「楽しく仕事をする」はどんなイメージですか?過去にどんな仕事が一番「楽しかった」と感じられましたか?

”楽しく仕事をしている”という状態の中身をグーっと深掘りして探っていけば、必ず【”楽しい”のポイント】が見えてくるはずです。ほとんどの場合、目指すものがハッキリわかり、その姿を本気で追いかけている時に、心から「楽しい」ってやりがいを感じるはずなのだから。

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。