上司や部下を動かしたいのなら「おせっかい」くらい関心を示さないと

マネジメント/リーダーの立場にある人からの相談の中で、部下とのコミュニケーションにおいて「どこまで突っ込んで聴いていいかわからない」「これを聴いたら相手は傷つくんじゃないか」といった考えを持つ人と出会います。

人と人との関わりが昔と比べて薄れているように感じるわたしは、あぁ、こういう配慮が一つの要因となってどんどん関わりが薄くなっていくんだなぁ…と妙に納得してたり。

昔、といってもわたしが若い頃だから(たかが)15〜20年ほど前だろうけど、上司も周囲の人ももう少し深く関わりあっていたように思います。「え?それ聴いちゃう?」とこちらがびっくりするようなセンシティブな話題も飛び交っていたし、受け取る側も「いや、そうなんですよねぇ」なんて気さくに答えていたモンだ。

現代でいうハラスメントに発展する怖さを知らなかったと言えばそれまでだけど、どうも相手に配慮しすぎて踏み込めないコミュニケーションを残念に感じるのはきっと、自分がそういう「おせっかい」に助けられてきたからなんだろうな。

『おせっかい』という興味関心が相手の心を動かした

どうしようもなく弱くて、人と関わるのを避けたくて、それでもどうしても自分を変えたいと躍起になっていた頃、みんなどうしてこんなに気にかけてくれるんだろう?ってずっと不思議だったんです。

「誰にも弱さを見せないように…」▷うん、なんだか「影」背負ってるよね?
「部屋はブルーのカーテンなんだ」▷いいから暖色系のやつ明日買いに行くよ!
「よかった、まだネクラ素性バレてない」▷ねぇぶっちゃけ、腕の傷どうしたの?

もうね、こんな感じでズカズカと触れられたくない部分をぶち壊しにくるんですもん(笑)

でも、そのおかげで少しずつ殻を破って素の状態でいられる時間と仲間が増えていった。いい意味で「もうどうにでもなれ!」って思わせてくれる人たちが周囲にたくさんいてくれたんですよね。

そりゃあ最初は正直「え!?あんまり近づかないで、触れないで」でしたよ。でも不思議なことに愛のあるおせっかいって何故かすんなり受け入れられてしまう。ペースに飲まれるって言うのかなぁ。だから気さくに答えちゃう人が多かったのかも。

打算のない心からの気遣いや、そのままを認めてくれる姿勢や、「あなたを知りたい」という素直な欲求は、なんというか拒絶することを忘れてしまうくらいスーっと入り込んでくる。例えは良くないかもしれないけど、昔よくいた親戚のおせっかいオバさんのよう。「ハイハイいつもうるさいよ〜いい加減にしてよ〜」と言いつつ、不思議とキライになれない、そんな感じ。

おせっかいを焼くということは興味を持っているということ。純粋な興味があるからこそ愛のあるおせっかいになる。わたしを助けてくれた人たちが、何故そこまで気にかけてくれたのか?それはきっと、わたしに興味を持ってくれたからなのです。

単純に嬉しいんだよね、自分に興味を持ってもらえるって。

純粋な興味関心を投げかけるタイミングと頻度がカギ

自分で言うのもなんだけど、与えてもらった助けを、その愛あるおせっかいを、幸いにも受け継ぐことができたと思っています。
「今、どんなことを考えているのだろう?」
「表情が冴えないけど何があったのだろう?」
「そんな風に感じるのにはどんな背景があるのだろう?」
自然に疑問がわく。これも言い換えればおせっかい。

状況によって「ほっといてよ」と言われる類のやつなのも承知の上で、その「ほっといて」の裏側に違う本音が隠れているとしたら、それは見逃したくないなと思ってしまう。

もちろん、このまま自分の興味を相手に押し付け続けたら立場や内容によってはハラスメントに該当するのかもしれないですね。それでも、相手が本当に不要だと感じている(もしくはそれを見極めてあげる)ならば、そのタイミングでスパッと引くことができれば済む話ではないかと。

相手にどう受け取られるか?に敏感になりすぎて、純粋な興味関心を示さない、躊躇する、もっといくと避けたり関心を持とうとしない上司が増えた気がします。それでは部下のことなんてわかりっこないし、それでこちらの言い分をわかってほしいと言うのはどうなんだろ?と思いませんか。

これは部下だけでなく、上司や会社に対しても同じだと思うなぁ。

もちろん相手があることだから、タイミングや頻度を間違えることもある。「あの人はズカズカ入り込んでくるから苦手」と思われることもあるかもしれない。でも、愛と興味と関心は必ず人の心を動かすと信じています。間違えたら謝る、相手をよく観察し、確認を取りながらやる、こういう細やかな気遣いをしつつ相手に関心を寄せ続けることが大事。だって配慮と遠慮は違うんだから。

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。