【独り言】キャリアカウンセリングが必要な理由を、メンタル不調経験者の視点で語ってみた

今から17〜8年前、わたしがうつを患っていた頃は個人のコーチングやカウンセリングなんて存在すらしてませんでした。いや、存在してたとしても知る術が少なすぎて、少なくともわたしは知らなかった。

精神科や心療内科にあるカウンセリングは保険がきくのでお財布には優しいです。60分のカウンセリングでたとえ一言も話せなかったとしても気に病む必要がなかったという点ではありがたいんですけどね(実際にそういう時もたびたびありました)

本音を言えば通い始めるのにはものすごく抵抗があって。【精神科・心療内科】という看板が背中に重くのしかかってきてなかなか足が向かなかったのを覚えています。病院の待合室で下を向きながら「ホントの自分はここに来るほどヤバくないはず」って言い聞かせてた。

いや、ヤバかったのは今ならわかるけど。

今でも通院や投薬で心の傷の治療を続ける大切な家族や友人たちが数多くいます。もう何年も苦しい波を経験し、良くなっては悪化して、それでも一生懸命生きている。たとえ病気でなくとも、本人が思っている以上にそして周りからは見えないところで苦しみにフタをして抱え込んでいる人はいっぱいいます。

わたしは「ここから脱出したい」と願い、幸いなことに周囲に恵まれ、たくさんの助けをいただいてなんとかうつを克服し、仕事の悩みだって解決してこれました。でも彼らを、彼女たちを変えてはあげられないと思っています。だって、変わると決めるのは自分自身にしかできないってことを身をもって知っているから。ある意味お医者さんだって同じなんじゃないかなぁ。

それでも身近なところにほんのちょっと手を伸ばすだけで大丈夫なんだとわかれば、苦しさは少しラクになるのも知っていて。だから話を聴いてあげる時間が必要だと思っています。それはお医者さんじゃなければダメとは限らなくて、家族でも、友人でも、同僚や上司でもいい。

そういう意味では、誰もが誰かのカウンセラーなのかもしれないって思うんです。

心を病んでいた時も、罪悪感や劣等感に苦しんでいた時も、仕事で悩んでいた時も、こちらに向かって差し伸べられた手ほど心強いものはなかった。それは決して技術や資格のある医者やカウンセラーだけじゃなく、家族や友人や先輩や上司からの温かい手がほとんど。

みんな、わたしのカウンセラーでありコーチだった。
メンターであり、師であり、先生だった。

 

けれど今はどうだろう?
たとえば企業にはメンター制度があったりもするけれど本当に必要な人に届いているだろうか?
誰もが自分のことだけで精一杯な状態。
助けたい気持ちはあっても自分自身がグラグラしている。助けを必要としている。

ってことは、「助ける人▶︎助けられる人」という構図じゃなくて「どんな人とも助け合う」っていうシステムが必要になったということ。

むしろメンティが一方的に支えられるのではなく時にメンターの方が支えられたり気づきを得たりする、とかもあるくらいで。上司が部下と面談をする時に、部下の話を訊いているうちに自分と重なる部分があることに気づいていつの間にか自分に言い聞かせるようにアドバイスしていたり、とか。

ここまで書いて思ったけど、必要なのはシステムなんかじゃないのかもしれません。
受け手側の心構え、「教えや助けが必要だ」という自覚なのかな。

いずれにしても『対話』や『問いかけ』がキーになってきます。ちょっとした声かけの中に助けになるヒントがあったり。何気ない疑問の中に気づきの要素が隠れていたり。

そう考えると今は昔と比べて『対話』や『問いかけ』そのものが減ったということ。世の中にはこれだけの情報が溢れてるから人と話す必要がなくなった。だからこそみんな自分のことに集中してしまう。膨大な情報のおかげで「自分で解決しなきゃ」とか勘違いしちゃうのかも。「助けが必要」って自覚しにくいのかも。

もっと話そう、訊こう。たぶんこれが答え。
きっとそれがわたしが昔求めていたものであり、与えてもらったものなんだと思うから。
で、それを必要としている人が増えてきたってことかもしれない。

自分も助けが必要なのだから、相手も必要かもしれない。
だから対話をする機会を作ろう、時間を取ろう。
もっと問いかけ続けていこう、そういう場を提供しよう。

そういう気持ちで気づきを与え、変化のきっかけを与え、ときに自分もそれをもらいながら成長できる人でありたいなぁ。スマホで検索できるのはあくまでもそういう「場」なのであって「答え」ではないということに気づける人がもっともっと増えたらいい。

あーあ。今日は完全なる独り言になっちゃった。

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。