その『大丈夫』って口グセは全然大丈夫じゃないよね?

昔はよく「お前の”大丈夫”はたいがい、アテにならない」と言われ続けました。
たとえば誰かに向けて「わたしは大丈夫」と口にするときは、自分が苦しいこと、辛いことを飲み込んで、我慢して「心配をかけたくない」「弱っていると見せたくない」「甘えている自分を嫌いにならないでほしい」みたいな不安や強がりの気持ちの時。

もちろん「絶対に大丈夫」と無理やり思い込むことで自分を勇気づけていた面もあったかもしれません。それでもわたしが口にする「大丈夫」は、聴く側からするとその言葉の裏側に「アテにならない」と思わせるだけの強い強いネガティブな思いが感じられていたようです。

ここ数年、わたしは意識的に、無意識にも「大丈夫だから」という言葉をよく口にします。「あなたなら大丈夫」「あの子なら大丈夫」そして「わたしは大丈夫だよ」も。

この「大丈夫」という言葉に根拠なんてものはありません。相手が話してくれる、不安な気持ちや大きくなる悩み、たくさんの不満、後悔…そんな思いを聞きながら自分自身が確信した素直な気持ちを素直に表しただけ。

言葉の裏側にあったのは「大丈夫」と素直に信じている、ただそれだけの気持ち。
つまり、今後不安や悩みはもっと大きくなるかもしれない、後悔の気持ちはなかなか消えないかもしれない、やっぱりうまくいかなくて不満を抱え続けるかもしれないけれど、ただただひたすら、どんなことがあったとしてもどんな状況になるとしても「大丈夫だ」と信じることができるようになったということなのです

だからかな。わたしが口にする「大丈夫」という言葉に「アテにならない」と言う人は今ではあまりいなくなったし、それどころか「それを聞いて安心した」と、言われるようになったのは。

不安が「あっても大丈夫」なのか?

同じ「大丈夫」という言葉なのに何が違うのだろう?と考えるとおそらくそれは「不安を受け止めたかどうか」の違いなのだと思います。

「その”大丈夫”はアテにならない」と言われていた頃の「大丈夫」には、不安や悩みを隠そう、逃げよう、押し込めようという意図があった(本人はまったく気づいてなかったけど)

たとえ意識的にはポジティブにうまくいくことを信じよう、とか思っていたとしても、内心では「不安要因が襲ってきたらどうしよう」などの気持ちから目を背け、見て見ぬフリをしていただけ。

それが、ネガティブの可能性を無視するのでも、軽視するのでも、見過ごすのでもなく「不安が襲ってきても大丈夫」という風に丸ごと受け止めるという意識に変わッタトキ、「大丈夫」という言葉は確信に変わるんじゃないかな。

「信じるものは救われる」なんてよく言うけれど、「何を」信じるか?って本当に大事。

不安や悩みや後悔の気持ちなどが、なくなったり消えたりすることを「うまくいく」だと定義すれば「うまくいくことを信じる」というのは難しい。でも、不安があっても悩んでも受け止め乗り越えられるとか、後悔をバネにできるという意識を「うまくいく」と定義すれば、これまでの経験を基にして「未来もうまくいく」と信じることができる。

つまり、不安が「あっても」大丈夫、と、不安を「なくせば」大丈夫、は全然違うということなのです。
これが強がりと確信の違いだと思うなぁ。

不安が「あっても」大丈夫と信じられると、「大丈夫」という言葉には本当に強いパワーが宿る。それは人を安心させたり自分を勇気づけたり行動の原動力になったりしますから。

必要なのは自分を受け止めること

これまでの経験を振り返ったとき、苦しいことを乗り越えたあなたがいて。
悩みをなんとか解決し爽やかな達成感を得たあなたがいて。

これまでも、無謀だと思っていたことに挑戦した、あの時はよく我慢した、努力を継続してやり遂げた、礼節をわきまえてソツなく対応できた、寝る間も惜しんで考え続けた、重大な決断を下せた、しっかりと行動できた、良い習慣を身につけられたなど、「よくやってきたこと」がたくさんあるでしょう?

そこに思いを集中し、自分自身に向けて「ありがとう」と言ってみませんか?自分が自分ででいるための努力を惜しまないでくれた自分に感謝する気持ちで。

人からの評価や自己否定の感情など、感謝の邪魔をしてくるものはことのほかたくさん湧いてくるだろうけど、屈することなく自分自身を認め、ねぎらい、感謝できれば「ああ、自分、大丈夫かもしれない」って思えてくるでしょう?

これらを根拠にして、「不安がやってきても自分は大丈夫だ」と信じられるかどうか?
うまくいくイメージってこういう考え方を基に膨らませていくものだと改めて思うな。

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。