正直、価値観が同じ人とだけ仕事できたらいいのに…って思ってません?

誰かと意見が合わない時にザワザワする人は多いんじゃないかな。
受け入れられない相手の考え、自分の意見をわかってもらえないジレンマ。「自分が間違っているのか?それとも相手が?」みたいにどんどん思考の方向がズレていって、考えの中身なんてそっちのけになったりして。

ありがちなのが「みんなが同じ考えで仕事をしないとまとまらない」と自分の意見を引っ込める人、逆に相手の意見を論破しようと躍起になる人。どちらも後にはモヤモヤばかりが残るハメになる。心当たり、ないですかね?

相手と意見が合わないというだけで意識や目的や方向性が違うと判断するのはちょっと早計。たぶん誰もがそんな風には考えない。なのに、モヤモヤしたり相手もイライラしているのはなぜなのだろうか?

自分は一体何を「わかってほしい」のか?

それはただただ、お互いが「わかってほしい」と思っているからなのだけどね。結論から申し上げると、わかってほしいには実は「同じ価値観を持ちたい(持ってほしい)」というニュアンスが込められちゃっている気がする。自分も、そして相手も、そう思っていて、まずはここを頭に置くことが必要。

相手の本当の気持ちや考えは後のち考えてみるとして。まずは自分の本当の気持ちや考えを掘り下げてしっかり理解しよう。意見がぶつかった時「自分は何をわかってほしいと思っているか?」をちゃんと説明できる人って案外少ないから。

なぜ、そう考えたのか?何のために、それが必要だと思ったか?それで何が得られるのか?何を失わずに済むのか?ということを考えていくと「自分が大切にしている価値観」や「行動や思考のパターン」が見えてくる。

たとえば、

A:メンバーの意欲を上げるために予算を使って手当をつけたい
B:それは大切だが、収益を考えて予算はもっと”必要な場所”に使ってほしい

立場の違う人同士でこのような意見の食い違いが生まれた時、もともとの「メンバーの意欲を上げたい」という気持ちは同じであるはず。ただ、その「やり方」に食い違いがあることがわかります。

『イレギュラーでも頑張った分を報酬で認めてあげたい←→会社全体の収益やルールも考えてほしい』たとえばこれが、それぞれが「わかってほしい」と感じている大切な価値観だとする。

その時に「共通の意識を持ちたい」というお互いのプラスな気持ちが「同じ考えで(まるでコピーみたいに)」という方向に傾いたとたん、モヤモヤが生まれたり、相手にイライラしたりするという仕組みじゃないかしら。

つまり「自分と同じ価値観(考え方)」をわかってほしいと思っていて、お互いに押し付け合ってしまっているだけなのだと思うな。

価値観や考え方が同じ人なんていないから

そうではなくて「たとえ違うやり方(考え方)だとしても、目的を見失わないのであればOKとする」というようなイメージで、自分の考えややり方とは違っても一旦、相手の提案をまるっと(一部でも)受け入れてあげてもいいのかもしれないよ、ってこと。合意形成が頻繁に求められる上位者・管理職はとくに、こうした「目的志向」に基づいて、部下の考え実現の支援をすることが求められるはず。

他にも個々の持っている特性の違いで、考え方の方向性が逆向きというケースもあるかも。たとえば「意欲についての考え方」を取り上げてみた場合、

・Aの人の思考パターンは「意欲や意識を上に上げる方向」
・Bの人の思考パターンは「意欲や意識を下に下げない方向」

といった傾向の違いが見えてくることもある。どちらも目的は「意欲や意識」にあって同じだけれど、向きが違えばやり方も変わってくるから、お互いがなんだかモヤっとするケースなどもあるあるだなぁ。

いずれにせよ、自分と全く考えや価値観、大切にしているものがまったく同じ人はいない。間違いなくいない。コピーロボットかクローンか、それにしたって「自分のコピー」だな…いやそもそも映画の世界じゃないんだから。

だから合わせられるのは考えや価値観じゃなくて「目的」や「目指す方向」
特に組織の中で同じ価値観を求めるのは危険だよ〜消耗し切って身を滅ぼしてしまうこともあるんだから。「意識が同じ」は「やり方や考え方が同じ」とは限らないという事実を、まず自分が受け入れようとすることが大切だよね。

あ、最後にもうひとつおまけ。
もしも「相手と同じ価値観でないと受け入れてもらえない」といった考えがあるのなら、それは思い込みです。そろそろ卒業してもいいのではないか?ということをぜひ付け加えさせていただきたいと思っております、ハイ(実体験は力説する、笑)

 

ABOUTこの記事をかいた人

キャリアカウンセラー 大野乃梨子

通称はイトウ(旧姓)/ノリさん。ほんとうの自分を知ること、人間関係や仕事の問題解決に向けた考え方、キャリアビジョンの描き方、ビジョンに向けた課題の取り組み方などに特化した記事を書いています。わたし自身もメンタル不調を患って以来20年、自分と向き合うことや人との関わりを長年考え続け、学び続けている最中です。自分をちゃんと理解し、それをわかってもらう喜びが人を動かす。それが「自分らしく生きる」ことだと思っています。